英語のスピーキングがなかなか上達しない原因と対策
「英会話の勉強を始めたけれど、なかなか話せるようにならない…」
このように悩まれている方は多いと思います。
私も以前、英会話の勉強を始めて数ヶ月経った頃、同じような悩みを抱えていました。
まず原因を特定する
まず自分がなぜ話せないのか、その原因を客観的に把握する必要があります。
そのために一度、英検®準2級の過去問を読んでみてください。問題を解く必要はありません。ただ、読むだけで大丈夫です。リスニングのパートは聞かなくても良いので、そのスクリプトを読んでみてください。
過去問は、日本英語検定協会のホームページで無料で見ることができます。すべてを見る必要はなく、過去問1回分だけで十分です。
読んでいて分からない単語が出てきたり、スムーズに読めないところがあったらアウトです。英検®準2級で使われる英文法、英単語はどれも英会話で頻繁に使われます。これらの基礎知識がないと、基本的に英会話は難しいと考えてください。
つまり、
読めない = 知識が不足している = スピーキングやリスニングがうまくできない
ということです。
英文法の知識不足を補う
英検®準2級で使用されている英文法は、中学1年~3年で学ぶ基礎的な英文法です。まずは、この中学1~3年で学ぶ英文法をしっかりと総復習しましょう。
参考書選びについてですが、高校受験や大学受験向けの分厚い参考書を使う必要はありません。できるだけ薄く、問題が豊富に載っている参考書を活用する方が、モチベーションを保ちやすく効率的です。
おすすめは、くもん出版の「スーパーステップ 中学英文法問題集」です。中学で学ぶ英文法が過不足なく網羅されており、基礎を固めるにはもってこいです。
英単語の知識不足を補う
旺文社から出版されている英検®準2級までの単語帳を購入し、一通り確認してください。
- でる順パス単
- 文で覚える単熟語
どちらを使ってもOkです。自分に合った方を選んでください。そして分からない単語や熟語がなくなるまで、とにかく音読しながら覚えましょう。
単語を覚える際は、コロケーションを意識することをおすすめします。多くの人が単語を一つ一つ個別に覚えがちですが、実際の英語では単語は他の単語とセットで使われることが多いです。この特定の組み合わせを「コロケーション」と言います。
例えば、「conversation(会話)」という単語は、
"have a conversation with~"(~と会話する)
という形でよく使われます。また、「bath(お風呂)」も同じで、
"take a bath"(風呂に入る)
という形でよく使います。
このように単語を覚える際には、どの単語とよく組み合わされるか、つまり「コロケーション」を意識して学習することを強くおすすめします。
英文法・英単語を会話で使えるようにする
さて、問題集を解いたり単語帳で暗記するだけでは、その知識を会話で使えるようにはなりません。知識が断片的なままでは、うまく会話文を構築できないからです。
重要なのは、学んだ知識を使って自分で会話文を作れるようになることです。そのためには、学んだ内容をもとに短い文章で良いので、文を作成してください。
可能であれば、ネイティブスピーカーや英語ができる日本人に添削してもらい、その添削された文を音読しましょう。
私の場合、以下の写真のように、表に日本語、裏に添削してもらった英文を書いて、一問一答形式にしました。これを毎日音読し、日本語を見た瞬間に英文が自然に出てくるまでトレーニングしました。
英検®準2級の文がスラスラ読めるが・・・
英検®準2級の文をスラスラ読める方は、英会話に必要な基礎知識はすでに身についています。しかしスピーキングがうまくいかない原因としては、次の2つが考えられます。
- 日本語をそのまま直訳しようとしている
- 生の英語に触れる機会が少なすぎる
もちろん知識量をさらに増やす努力も必要ですが、まずは上記の2点にフォーカスして対策を進めてみてください。
日本語を直訳する癖がある
よく頭に浮かんだ日本語を、そのまま英語に直訳してしまう人がいます。しかし、基本的に英語は直訳できないと思ってください。
英語を話せる日本人は、英語を発言する際に以下のようなプロセスで会話文を組み立てています。
- 日本語で文章を考える
- その日本語を簡単な日本語に翻訳し直す
- 自分の知っている英語の知識を当てはめる
- 英語で発言する
このプロセスを頭の中で爆速で行っています。
例えば、次の文章を考えてみましょう。
その問題に対する彼の深い洞察力は、我々全員に新たな視点を提供してくれました。
この日本語を直訳するのは難しいかと思います。英語を話せる人は、この日本語を次のように簡単な形に再構成します。
彼はその問題をよく知っています。彼はみんなに新しい考え方を教えてくれました。
どうでしょうか?最初の文章に比べて、ずっと訳しやすくなったと思います。
これを訳すと、次のような会話文になります。
"He knows the problem very well. He has taught us a new way of thinking."
この文で使用されている英語は、英検®準2級レベルです。
このように直訳にこだわらず、英語に訳しやすいように日本語を再構築し、自分の知っている英語知識を使っていく訓練を繰り返してください。
英語しか使わない環境を作る
もう一つ重要なのが、環境作りです。英語を使う環境を無理にでも作ってください。実践経験を積み、アウトプットを繰り返さなければ、学んだ知識は定着しません。
人間は、必要に迫られると生存本能が働き、嫌でも身につけようとします。ですので、「自然に勉強せざるを得ない」環境を作り出してください。
ここでは、日本国内でお金をあまりかけずに英語を使える環境を紹介します。
英語をよく使う仕事をする
- 空港国際線のカフェや免税店でのバイト
- 観光地の宿泊施設、お土産屋、飲食店でのバイト
- 留学生や地域の外国人住民をサポートするバイト
英語を使うコミュニティへ参加する
- 地域の英会話サークルに参加する
- 外国人駐在員が集まるパーティーやサークルに参加する
- キリスト教会やNPOなどが主催する外国人との言語交換サークルに参加する
メディアをすべて英語に変更する
- Japan TodayやNHK World Newsなど、英語で日本のニュースを読む
- Netflixのドラマや映画を英語字幕で観る
- YouTubeで海外のVlogを英語字幕で視聴する
この他にも、Hello Talkなどの語学学習アプリを使って、近くにいる日本語学習者と言語交換をしたり、オンラインで通話する方法もあります。
ちなみに、会話中に気になった英語表現や言い回しは、すべてスマホのメモ帳に記録しましょう。その後、その表現を使って自分なりに会話文を作り、可能であれば英語講師に添削してもらってください。そしてそれを暗記して、実際の会話で活用してください。
さいごに - 量を増やし、負荷をかけること
最後にお伝えしたいのは、勉強量を増やし負荷をかけてください。
よく相談者から、「3日に1回1時間勉強している」とか「週に1回英会話教室に通っている」といった話を聞きますが、これでは勉強量が少なすぎます。この程度では、英語が話せるようにはなりません。
毎日英語に触れることは当然ですが、できるだけ毎日英語を口にしてください。理想は英語を実際に使う環境で英会話をすることですが、それが難しい場合は、最低でも音読をしましょう。
覚えた知識は使わないとすぐに忘れてしまいます。それを防ぐためには、英語に触れる時間を増やすしかないのです。
投稿者プロフィール
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幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、英語力に磨きをかける。卒業後、某メーカーの海外営業としてインドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売に従事。現在は主に対面、オンラインの双方で英語を教えている。カナダと中国に留学経験あり。英語のほか、中国語、インドネシア語も堪能。
資格:TOEIC 970、HSK 6級
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