英語を使う環境の作り方
英語を話せるようになりたいのなら、まずは学習環境を整えましょう。英語しか使わない環境を工夫して作ることが大切です。
目次
毎日英語に触れないと英語力は向上しない
基本的にほぼ毎日英語に触れないと、英語力は向上しません。理由は単純で、使わなければ勉強したことを少しずつ忘れてしまうからです。我々の母語である日本語は毎日使うので、忘れることはありませんね。
では、毎日英語に触れるためにはどうしたら良いでしょうか?
「モチベーション」がないと継続できないのか?
よっぽど英語が好きでない限り、ほとんどの人にとって毎日英語を勉強し続けるのは大変でしょう。結果的に、途中で勉強をやめてしまう人が多いようです。その原因としてよく言われるのが、「モチベーションが足りないから」。
だからこそ、モチベーションを保つ方法が大事だという人がいます。でも本当に英語の勉強が続かない理由は、モチベーションが足りないからなのでしょうか?
学習を習慣にするならモチベーションに頼ってはいけない
モチベーションをずっと維持できたらいいですが、残念ながらそうはいきません。人間は楽をしたい生き物です。最初はやる気があっても、「もう無理、勉強したくない、休みたい…」と思う瞬間が必ずきます。こうなるとやる気もだんだん薄れて、結局やめてしまいます。
モチベーションには、物理的な拘束力も心理的な強制力もありません。だからこそ一時的にやる気が高まっても、それだけでは習慣にはなりにくいのです。
なぜ毎日お風呂に入って、歯を磨くのか?
習慣化の例として、なぜ私たちは毎日お風呂に入ったり(シャワーを浴びたり)、歯を磨くのでしょうか?
- お風呂に入らないと体臭がきつくなって周りに迷惑をかける
- 歯を磨かないと口臭が気になる
- 歯を磨かないと虫歯になって、治療費がかさむ
こういう理由があるから、毎日続けているわけです。私も時折、「めんどくさいな…」と思いながらシャワーを浴びたり、歯を磨いたりすることがあります。でもこれらの問題が出るのを避けるために、毎日欠かさずやっています。つまり習慣化とは、嫌でもやらざるを得ない環境があってこそ初めて成り立つものなのです。
ベストなのは国外へ行くこと
では、どうすれば「やらざるを得ない環境」を作ることができるのでしょうか?一番手っ取り早い方法は、英語圏へ行くことです。会社員の方なら、勇気が必要かもしれませんが、思い切って会社を辞めて海外に飛び出すのも一つの手です。
私の場合、当時英語はできたのですが、中国語をどうしても身につけたくて、30代で会社を辞めて中国に行きました。結果的にある程度話せるようになり、それが評価されて次の職場もすぐに見つかりました。
「語学留学すると転職が難しくなるんじゃないか」と心配する方もいますが、今はどこも人手不足。特に、英語を使える人材はまだまだ少ないのが現状です。
英語を身につけるなら、英語圏に飛び込んで日常生活で使うのが早道です。ただし、英語圏で日本人同士で集まって日本語ばかり使っていると意味がありませんが…。
日本国内で何とかならないか?
ベストは国外へ出てサバイバルすることですが、どうしても国外に行けない場合は国内で英語を身につける方法を考えるしかありません。
ここでは実際に私が国内で行っていた、自然と英語を使う環境作りについて紹介します。
外国人駐在員のコミュニティに入る
“InterNations”という、外国人駐在員向けのSNSがあります。このSNSは、その国に住んでいる駐在員たちの交流を目的にしていて、毎週いろいろなイベントが開催されています。実際のところ駐在員だけでなく、その国や地域の人たちも参加しています。
無料で参加できるイベントもありますが、有料じゃないと参加できない面白いイベントもたくさんあります。私は有料会員になり、主に有料イベントに参加していました。というのも、有料イベントに来る人は基本的に真面目で安心できるからです。毎月US$9かかるので「元を取る」気持ちで、自然とイベントに参加していました。
このSNSは、国外の人とネットワークを広げるために使う人も多いですが、私はどちらかというと英語力を伸ばすために使っていました。
当然このコミュニティの公用語は英語です。
思い切って外資系に転職、社内の海外部に異動する
この際、思い切って国内の外資系企業へ転職する、または社内の海外部に異動するのも一つの選択肢です。転職や異動の際に必要なのは、職歴とTOEICのスコアです。英語を使ったコミュニケーションスキルは、入社後に嫌でも身につけることができます。なぜなら、英語を使わざるを得ない環境に身を置くことになるからです。
安心してください。こうした企業や部署にいる日本人の中には、TOEICのスコアが高くても流暢に英語を話せない人が意外と多くいます。とはいえ、会話の流暢さよりも内容が重要視されるため、多少ぎこちなくても伝わります。TOEICスコアの目安としては、外資系企業では最低860点以上、日系企業の海外部門では780点以上が求められる場合が多いです。
外資系企業では一般的に日系企業と比べて1.5〜2倍の年収増が期待でき、また日系企業でも海外駐在員になれば同等の年収アップが見込めます。入社後には現在の職歴に英語力が加わり、さらなる年収アップも期待できます。もちろん努力は必要ですが、これらのインセンティブを考えると、非常に価値のある挑戦と言えるでしょう。
ちなみに、私も日系企業の海外駐在員を経験し、また外資系の人たちと仕事をしてきた立場から、実状を踏まえてこれを書いています。
英語を使う副業をしてみる
副業がOKな職場なら、空いた時間に英語を使う副業をやってみるのもいいかもしれません。
私の場合、英語教材を作ったり、地域の観光ガイドをしたり、国際線空港のカフェでアルバイトをしたり、ECサイトで海外のお客さんとやり取りをしたりして、強制的に英語を使う環境で小遣い稼ぎをしていた経験もあります。
外資系企業に就職したり、海外営業の仕事に転職したりするとなると、職歴やTOEICのスコアが求められるのでハードルが高くなります。でも、バイトならTOEICの点数はあまり重視されませんし、未経験でも応募できる仕事がたくさんあります。
私はこうした仕事を、英語力をキープするために(もちろん小遣い稼ぎも含めて)やっていました。
NPOや地域の英会話サークルの運営に関わる
地域に住む移民の方向けに言語交換サービスを提供しているNPOやボランティア団体、ワンコインで参加できる地域の英会話サークルなどがあります。
こうしたサークルに「参加するだけ」だと続けるのが難しいですが、運営に関わると「定期的に参加しないといけない」という強制力が働きます。
運営に携わる中で海外の人と会話する機会も増えるので、結果的に英語に触れる頻度が上がります。
ツールの言語を全て英語に変える
スマホや、YouTube、インスタなどのSNSの言語を全部英語に切り替えましょう。こうすれば、嫌でも日常的に英語に触れることができます。
内容が分からないと自然に調べるようになるので、結果的に英語の勉強になります。
Hello Talkなどの言語交換アプリはどうなのか?
この手の無料でも使えるアプリは言語交換の相手を探しやすく、一見便利に思えます。しかし「続けなきゃ」という強制力がないため、よっぽど語学が好きでない限り続けるのは難しいと思います。
実際、私自身がそうでした。国外で語学を勉強している時は、必死で語学力を伸ばそうとしていたので、こういったアプリを使って相手を探したり、文章を投稿したりしていました。
しかし日本に戻ってからは、最初こそ語学力維持のために使っていましたが、だんだん面倒になって使わなくなりました。理由は単純で、使わなくても生活できるからです。
結局、人は必要に迫られないとやらない
前述したように、英語を継続して学習するためには、自分自身で工夫して学習環境を作らない限り、続けるのは難しいでしょう。たとえ交流会やアルバイトが週に1〜2回であったとしても、普段から英語を勉強していないと、いざという時に困ることになります。
コミュニティに入れなかったり、仕事で迷惑をかける可能性があるので勉強せざるを得なくなるのです。こうした「必要に迫られる状況」を作ることが、英語学習を習慣化し、継続的に進めるための鍵となります。
最後に、当スクールでは英語を本気で習得したい方に向けて、学習習慣を定着させるサポートを行っています。具体的には英語を定期的に使う環境を整え、独学とは異なり、効率的に目標に向かって英語力を伸ばせるようサポートしています。
無料カウンセリングも実施していますので、興味のある方は、以下のリンクよりホームページをご覧ください。
投稿者プロフィール
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幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、英語力に磨きをかける。卒業後、某メーカーの海外営業としてインドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売に従事。現在は主に対面、オンラインの双方で英語を教えている。カナダと中国に留学経験あり。英語のほか、中国語、インドネシア語も堪能。
資格:TOEIC 970、HSK 6級
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