英会話の初心者が担任制オンライン英会話を選ぶべき理由
英会話の初心者がオンライン英会話を始める際、まずは担任制のオンライン英会話で実践力を養うことをおすすめする。ここでは、初心者にとって担任制がベターである理由を説明する。
このブログは、以下のような読者を対象としている。
・オンライン英会話のスクール選びに迷っている初心者
・担任制でないオンライン英会話に違和感を感じ始めた初心者
・担任制とそうでない場合の違いを知りたい初心者
なおここで言う「初心者」とは、英語だけで意思疎通することがまだ難しい人を指している。
通常のオンライン英会話スクールについて
まず、一般的なオンライン英会話スクールについて説明する。
「オンライン英会話」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、フィリピン人が講師をしているスクールではないだろうか。これらのスクールは、低価格でレッスンが受けられるため、予算が限られている人にとって理想的なサービスだろう。
料金が安く、好きな時間にレッスンを受けられるという大きなメリットがある。これだけを聞くと、あたかもメリットしかないように感じてしまうかもしれない。
しかし、このサービスは誰にでも向いているわけではない。特に、英会話を始めたばかりの初心者にはあまりおすすめできない。その理由の一つが、担任制が採用されていない点にある。
担任制でない場合、初心者にどのような影響があるのか見ていく。
担任制でないデメリット
手間がかかる
講師を探すのが手間
通常のオンライン英会話では、気に入った講師の予約が取れないことがよくある。特に人気講師は数週間先まで予約が埋まっていることもあるし、自分の都合の良い時間に講師の予定が空いていない場合も多い。また、長く受講していた講師が急にレッスンの空き時間を減らしたり、突然退職してしまうこともある。こうなると、新たな講師を探す必要が出てくる。
そのため、何人もの講師プロフィールを読み込み、実際にレッスンを受け、自分に合った講師を見つけなければならない。このプロセスには非常に時間と労力がかかる。
自己紹介の時間が手間
新しい講師に会うたびに自己紹介を繰り返すことになる。レッスンを始める前に、自分と相手の自己紹介に時間を費やしてしまう。
講師が毎回違うと、このような手間が積み重なっていく。
前回レッスンの共有が手間
講師が変わるたびに、前回のレッスン内容や当日の希望を説明しなければならない。残念ながら、通常のオンライン英会話スクールでは、講師間で生徒の進捗が共有されていない。この説明も手間であり、レッスン時間の無駄につながる。
特にフィリピン人講師が担当する場合、これらのやり取りはすべて英語で行う必要がある。英会話を始めたばかりの初心者にとって、これが大きな負担になる可能性が高い。
講師と信頼関係が構築できない
担任制では、講師が長期にわたって生徒をサポートすることで、徐々に信頼関係が築かれていく。しかし、毎回違う講師ではそのような関係は築きにくい。
レッスンに緊張してしまう
毎回講師が変わると、「どんな先生なんだろう?」「どんなレッスンになるんだろう?」といった不安が生まれ、レッスンが始まる前から緊張してしまう。この状態が続くと、レッスンを受けること自体が億劫になり、最終的には「パソコンを開くのが嫌になる」状態に陥ることもある。
もちろん、担任制でも最初は緊張するだろうが、レッスンを重ねるうちにお互いの人柄が分かり、徐々に緊張が和らいでいく。最終的にはリラックスして自分のペースでレッスンを受けられるようになる。
学習意欲が低下していく
講師の人柄が分からないと、レッスンのペースや内容についての相談がしにくくなる。その結果、自分に合ったレッスン環境が整わず、学習意欲が急激に低下することがある。最悪の場合、挫折してしまう。
特に初心者にとって重要なのは、学習意欲を保ち続けることだ。そのためには、レッスン中にリラックスでき、相談もしやすい環境を整える必要がある。緊張しっぱなしで、相談も気軽にできない環境が初心者に適しているとは言えないだろう。
長期でサポートできない
毎回講師が異なる場合、長期的に同じ生徒をサポートすることはできない。これが生徒にどのような影響を与えるのか考えてみよう。
本当に苦手としている部分が把握できない
一度だけのレッスンでは、生徒が本当に何を苦手としているのかを把握するのは難しい。例えば、スムーズに会話ができない生徒がいたとして、その原因が文法の不足なのか、単語の知識が足りないのかを見極めるのは容易ではない。さらに、具体的にどの文法知識が欠けているのかまでを把握するのは一層難しい。
つまり、生徒が気づいていない「本当の苦手な分野」が明確にならない。そしてその苦手な分野こそ、今まさに克服すべきポイントである。
この点に気付けず、闇雲に沢山レッスンを受けても上達にはつながらない。苦手なところを苦手なままにしているからだ。
一方で、担任制だと長期にわたって生徒をサポートするので、真にアプローチすべき点がよく見えてくる。こうなると的確なアドバイスができ、生徒も効率的に英語力を伸ばすことが可能となる。
どこに向かっているかが把握ができない
通常のオンラインスクールでは、生徒が何を目標にしているか、どんなレッスンをしているか講師間で共有されない。そのため、生徒の要望に応じてレッスンが進んでいくことになるが、これには問題がある。
例えば、あなたが船に乗って目的地に行こうとする状況を考えてみてほしい。プロの航海士なら目的地までの道をしっかり計画して進むはずだ。しかし、もし初心者が「ここに行きたいから、今日はこの方向に進んで」と指示して船を出したらどうだろう?目的地から遠ざかったり、無駄に時間がかかるかもしれない。結果として「今自分はどこにいるのか?」「目的地までどれくらいかかるのか?」という不安に襲われることになる。
同じことが通常のオンラインスクールでも起こりうる。誰も計画を立てず、進捗も把握していないので、生徒は英語の学習で迷子になってしまう。
一方で担任制だと、長期的に同じ人がサポートしているため、生徒の現状を把握しやすい。どれくらい進んでいるのか、次に何をすればいいのかを明確にアドバイスできる。これにより、生徒は安心して学習を続けることができる。
成長してるのかが分からない
毎回講師が違うと、講師は生徒の成長を一貫して見ていない。だから、以前と比べて何ができるようになったのかがわかりにくい。
担任制なら、具体的な成長を客観的に評価してもらえる。生徒自身が気づかない成長も、講師のフィードバックで明確になり、それが次の学習へのやる気につながる。
通常のオンライン英会話はデメリットしかないのか?
さて、毎回講師が違うオンライン英会話はデメリットしかないのだろうか?
実際のところ、以下のようなメリットはある。
さまざまな英語に触れられる
毎回講師が違うことで得られる大きなメリットは、さまざまな英語に触れることができる点だ。講師の国籍がフィリピンだけでなく、他国の講師もいる場合、さらに多くの学びが得られる。特に発音や表現は、国や地域、人によって大きく異なる。それに慣れるには多様な英語に触れることが重要だ。そんなとき、毎回講師が違うオンライン英会話のサービスが役立つ。
さまざまな知識が増える
いろいろな国籍の講師がいるサービスなら、それぞれの出身地に関する文化や歴史の情報も得ることができる。これにより、知識を深めることが可能だ。
旅行先の情報を講師から仕入れて、実際の旅行で活かすこともできる。これは担任制にはないメリットの一つだ。
さまざまな学習法に出会える
講師によって英語の学習法は異なる。例えば、リスニングの練習でも、シャドーイングを重視する講師もいれば、ディクテーションを徹底する講師もいる。このように、講師が異なることで、さまざまな学習法に出会うチャンスが広がる。
これにより、レッスンがマンネリ化するのを防ぎ、その学習法を自分の勉強に取り入れることもできる。
ただしある程度英語だけで意思疎通ができるからこそ、これらのメリットを享受できるといえる。
まとめ
ここまで、毎回講師が違う場合と担任制のメリットとデメリットを見てきた。
まとめると、
・毎回異なる講師:英語だけでコミュニケーションができる人向け
・担任制:英語だけでのコミュニケーションが難しい初心者向け
と、それぞれ対象者が異なる。
毎回講師が違う通常のオンライン英会話は、すでに英語力がある人がその英語力を維持したり、さらに高めるために使うサービスなのである。
一方で、英会話の初心者には、落ち着いて着実に成長できる環境が必要。そのためには、
・レッスンで緊張しない
・自分の真の弱点を把握できる
・講師選びに手間を取られない
といった観点が必要であり、担任制を選ぶ方がベターなのである。
投稿者プロフィール
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幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、英語力に磨きをかける。卒業後、某メーカーの海外営業としてインドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売に従事。現在は主に対面、オンラインの双方で英語を教えている。カナダと中国に留学経験あり。英語のほか、中国語、インドネシア語も堪能。
資格:TOEIC 970、HSK 6級
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