英会話を日本人講師から学ぶメリットについて
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などのキーワードで当ブログにお越しいただき、誠にありがとうございます。
これらのキーワードで検索されたということは、日本人講師から英会話を学ぶことを検討されているかと思います。
結論、英会話の初心者の方は英語の得意な日本人講師よりレッスンを受けるのが、一番効率よく英語力を上達させることができます。
ここでいう英会話の初心者とは、英語だけで海外の人と意思疎通ができない人を指します。
「ネイティブの先生からレッスンを受けているが伸び悩んでいる。」
「外国人講師とのオンライン英会話がきつい。」
「独学での勉強が不安だ。」
このような英会話の初心者の方々を対象に、なぜ日本人講師から学ぶ方が良いのかを解説します。
日本人講師から学ぶメリット
具体的に、日本人講師から学ぶメリットは以下の3点です。
・英文法の説明を日本語で受けられる。
・英単語や熟語の使い方を日本語で学べる。
・英会話の初心者の課題に対して、克服方法をアドバイスできる。
これから、これらの詳細を見ていきます。
英文法の説明を日本語で受けられる
英語で問題なく話したり、聞いたりするためには、まず英文法の知識が欠かせません。
スピーキングとは、頭の中で言いたいことを瞬時に日本語から英語に翻訳して発する行為です。
この際、基本的な英文法の知識がないと、そもそも英文を構築することができません。
またリスニングの際も、例えば関係代名詞や形式主語などの知識がないと、会話の中で出てきた際に、「なぜここでthatが出てくるのだろう?」「この文頭のitの意味は何だろう?」と頭が混乱し、意味が理解できなくなります。
つまり、英文法の知識がないと意思疎通が困難になるのです。
ですから、英会話の初心者はまず英文法の知識を理解し習得することが第一優先です。
ここでいう知識の習得とは、単に英文法の穴埋め問題が解ければ「それでよし」ということではありません。
自分の伝えたいことに対して適切な英文法を選択し、相手に伝わる英文を頭の中で作文できるかどうかがポイントです。
このレベルに到達するためには、英文法を「理解」していることが必要です。
例えば、現在完了形にはどのような種類があり、どの文脈で使うべきかを大まかに自分で説明できる程度の理解が求められます。
このような理解が必要ですが、英文法の知識をしっかりと学ばなければならない段階で、英語しか話せない外国人が講師だと、全て英語でレッスンが行われるため理解が伴いません。
TESOL*などの資格を持っている外国人講師なら、英文法の説明の際に"present perfect"や"preposition"などの専門的な用語を使用してくるでしょう。
これらの専門的な単語が散りばめられた説明を、果たして英会話の初心者が理解できるでしょうか。
また、多少日本語ができる外国人から英文法を学ぼうとしても、説明に躊躇するケースが多々あります。
なぜなら、彼らは幼少期から英語を使う環境で育ち、文法を感覚的に習得しているため、知識として理解しているわけではないからです。
これは、日本語を教え慣れていない日本人が外国人に助詞の「は」と「が」の違いを説明するのが難しいのと似ています。
習慣的に身につけたものを、相手に分かりやすく説明できるほど理解しているとは限らないのです。
以上の観点より、英文法の知識については英語を習得した日本人講師から学ぶことをおすすめします。
それも、小さいころから英語を使う環境で育った日本人講師ではなく、日本語の環境で育ち、後から英語を身につけた日本人講師が適しています。
英語を使う習慣がなかったが、英語を身につけた方、つまりあなたと似た境遇で英語を習得した方から学ぶと良いでしょう。
こういった方々は、「慣れ」ではなく理詰めで理解し習得しています。
詳述は別の機会としますが、人間はある年齢に達すると幼少期とは違い、理解せずに丸暗記や慣れだけで知識を吸収するのが難しくなります。
筆者を含め、多くの日本人は中学生から英語を勉強し始めた方が大半を占めます。
この頃になると、ある程度論理的に理解しながら勉強を進めないと頭に定着しにくくなります。
つまり、こうした一般的な日本の教育を受けつつも英語力を伸ばしてきた方々は、理詰めで英文法を理解しながら習得しています。
そういった講師であれば、例えばどういった時にどの文法を使うのが適切なのか、Aという文法とBという文法の違い、実際にAという文法が会話で使われるのか、日本語と英語の文構造の違いなど、初心者が知りたい情報を、理解できる言語でロジカルにかつ迅速に伝えることができます。
これは、日本人講師だからこそのメリットなのです。
*TESOL:Teaching English to Speakers of Other Languagesの略語。英語を第二言語とする学生向けの英語教授法のこと。
英単語や熟語の使い方を日本語で学べる
英文法と同様に、英単語や熟語の意味や使い方も日本語で学べるメリットがあります。
「辞書や参考書でも学べるのでは?」という意見もあるかもしれませんが、後述するように、「単語や熟語を調べる」という行為は「探す」と同義であり、何も生まない非生産的な行為です。
ここで重要なのは、英単語や熟語の意味だけを知っているだけでは不十分であるということです。
初心者が会話の中で英単語や熟語を使いこなすためには、以下の点も考慮すべきです。
・その単語や熟語は会話でよく使われるのか(口語でよく使われるのか、文語でよく使うのか)
・その単語や熟語はフォーマルな場面で使われるのか、カジュアルな場面で使われるのか
・その単語や熟語は会話の中でどういった形や文脈で使われることが多いのか
例えば、以下の違いや会話の中での使い方をすぐに答えられるでしょうか。
・seeとlookの違い(日本語に訳すとどちらも「見る」の意味)
・run intoとcome acrossの違い(日本語に訳すとどちらも「偶然出会う」の意味)
・look forとsearch forの違い(日本語に訳すとどちらも「探す」の意味)
・sayとtellの違い(日本語に訳すとどちらも「言う」の意味)
これらがすぐに答えられるなら、あなたはかなり英語ができる方で初心者ではないはずです。
これらが答えられない方は、一度ネットなどを駆使して調べてみてください。
恐らく、思っていた以上に対象を探し出し理解するまでに時間がかかるはずです。
つまるところ、初心者の方々がネットや辞書、参考書を駆使して知らない単語や熟語を調べ勉強しようとすると、非常に多くの時間がかかります。
その結果、心が疲弊し、勉強に対するモチベーションが薄れ、挫折する可能性が高くなります。
ここで述べたいのは、ネットや辞書などを活用して意味や使い方を探し出す時間が非生産的でもったいないということです。
「探す=勉強」ではなく、「探す=非生産的な作業」です。
経験者に聞けば数秒でその知識を学べるにも関わらず、わざわざ貴重な時間を割いてまで非生産的な作業に努めるのはなぜでしょうか。
必要なのは、いかにして早く知識を習得し会話で使えるようにするかです。
では、英語を母語とするような海外の方から学ぶ場合はどうでしょうか。
もちろん、単語や熟語の使い方などを英語で説明してくるでしょう。
それを初心者の方が聴いて即座に理解できるなら、あなたは既に初心者ではありません。
英会話の初心者の課題に対して、克服方法をアドバイスできる
上述した英文法や英単語・熟語の使い方なども含め、英会話をする上で初心者が陥りがちな課題を理解し、それを克服するための方法を提案できる強みが日本人講師にはあります。
例えば、英会話の初心者には以下のような課題が見受けられます。
・リスニングが全く聞き取れない
・頭の中に出てきた日本語をそのまま直訳しようとする
・英文法や単熟語などの穴埋め問題や選択問題は得意なのに、会話でそれらを使いこなせない
・4~5単語程度の文章だと正しい語順で話せるが、8単語を超えると語順がバラバラになる
・前置詞が不要なところで前置詞をつけてしまう(逆もまた然り)
これらの課題に対して、日本人の講師が効果的にアプローチできる理由は、彼ら自身もかつては英会話の初心者で同じような課題を抱えていたからです。
彼らは様々なメソッドを試し、課題を克服して英会話を上達させてきました。
その経験を基に、なぜできないのか原因を把握し、それに対する対策を提示できます。
また、個々の技術習得のためのアドバイスだけでなく、
・目標を達成するためにどのような順番で勉強すべきか
・どれくらいの量をこなすと何ができるようになるのか
・挫折しかけた時、どう持ち直したのか
といった英語学習全体における勉強法やメンタルの持ち方についてもアドバイスができます。
これも、講師自身が元々初心者だったからこそ、初心者の気持ちを理解し、その体験により蓄積した知見を活かすことができるのです。
さて、小さいころからほとんど英語しか使わない環境で育った人にこれらのサポートが可能でしょうか。
筆者は数多くのネイティブ講師や海外の講師と会話を重ねてきましたが、具体的な克服法や納得のいく克服法に出会ったことはありませんでした。
通常頂くアドバイスは「たくさん英語を聞いて話すこと」「英語を使う環境に飛び込むこと」でした。
しかしながら実際のところ、筆者は日本に住んでいるため、英語を使う機会は限られています。
お金も時間も限られており、簡単に留学もできません。
また、小さいころとは違い、何でもかんでも見て聞いたことが簡単に頭に定着するわけでもありません。
こういった状況下で、「たくさん英語を話すこと」「英語を使う環境に飛び込むこと」というアドバイスは全く腹落ちしません。
こういった観点からも、自身と同じ境遇を辿り、それを試行錯誤して克服した人の知見を学ぶことが、効率よくゴールにたどり着く近道なのです。
ネイティブ or 非ネイティブ?
「英会話の初心者はネイティブなどの外国人講師から学ぶべきか、それとも自分と同じバックグラウンドを持つ講師から学ぶべきか」という議論は、日本のみならず諸外国でも行われており、レポートや論文が発表されています。
ちなみに、英語を母語とする講師(ネイティブ)は「NESTs(native English-speaking teachers)」と呼ばれ、非ネイティブの英語講師は「NNESTs(non-native English-speaking teachers)」と呼ばれます。
今回、9つの論文を読みましたが、概ね英語初級者にとってはNNESTs、つまり自分と同じ国籍を持ち、同じようなバックグラウンドを持つ講師から学んだ方が効率的であるとの結論でした。
特にネイティブ講師の場合、発音やスピーキングの能力に関しては強みがあるものの、文法や言語規則を説明する際に専門的な知識が不足していたり、初学者が英語を学ぶ過程で直面する困難を理解しづらい面が指摘されています。
対して非ネイティブ講師の場合は、やはり既述した以下の3点で初学者にとって有益であると記されていました。
・英文法の説明を母国語で受けられる。
・英単語や熟語の使い方を母国語で学べる。
・英会話の初心者の課題に対して、克服方法をアドバイスできる。
ネイティブ講師と非ネイティブ講師による比較研究事例
実際にネイティブ講師と非ネイティブ講師のレッスンを受けた学生がどのように感じたのか、研究事例を2つ挙げます。
まず、中国雲南省の昆明で行われた研究(Qingfang Zheng, Yunnan College of Business Management, 2019)では、7年ほど英語学習を経験している300人の大学生が参加し、そのうち171人(約57%)がNNESTsを支持しました。
特に学習者の視点に立った指導方法が評価され、NNESTsが学生の困難を理解し、文法の詳細な説明や母国語を使ったボキャブラリーの指導が非常に有益であったとの声が多く寄せられました。
もう一方、日本の研究(Takaharu Saito, 流通経済大学, 2014)では、80人の大学生のうち48人(約60%)がNNESTsを支持しました。
彼らは、NNESTsが学生の困難を理解し、母国語を使った説明が効果的であると評価しました。
具体的な例として、学生は文法や語彙の学習において、NNESTsの詳細な説明と文化的な共感が学習効果を高めたと報告しています。
さらに、NNESTsが提供した現実的な学習目標と戦略が、学習者のモチベーションを維持するのに役立ったとされています。
これらの研究結果からも分かるように、自分と同じバックグラウンドを持つ非ネイティブ講師から学習することは、英会話の初心者にとって効果的あると言えます。
ネイティブ講師から英語を受けるべき人
ここまで、英会話の初心者は英語を母語とするネイティブ講師よりも、同じバックグラウンドを持ち、同じ母国語を話す非ネイティブの英語講師から学ぶのが効率的であると議論を進めてきました。
ここで誤解のないように述べておきたいのは、決して「ネイティブ講師は必要ない」とか「ネイティブのレッスンは金輪際受けてはいけない」と非難しているわけではないということです。
生徒のレベルによっては、ネイティブからレッスンを受けることが有効な場合があります。
特に、英語のみで問題なく意思疎通ができる人は、英語力を維持し、さらに磨きをかけるためにネイティブ講師から学ぶことが効果的です。
ネイティブが使う凝った表現や自然な言い回しを学ぶためには、日本人講師よりもネイティブ講師と会話をする方が実践的です。
このように、自身のレベルに応じて、非ネイティブ講師から学ぶべきか、ネイティブ講師から学ぶべきかを選択することが賢明です。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回このブログでは、日本人の英会話の初心者にとっては、同じバックグラウンドを持ち、同じ母国語を話す日本人講師から英会話を学ぶことが効率的であることを解説してきました。
以下に、このブログ記事で解説した内容を簡単に纏めます。
日本人講師から学ぶ3つのメリット
英文法の説明を日本語で受けられる
・英文法はスピーキングやリスニングにおいて不可欠な基礎です。日本語での説明により、初心者でも理解がしやすくなります。
・外国人講師が英語で専門的な用語を用いると、初心者には難解です。そのため、日本語で理論的に説明できる日本人講師が適しています。
英単語や熟語の使い方を日本語で学べる
・単語や熟語の意味だけでなく、使用頻度や適切な場面も日本語で説明されるため、理解が深まります。
・ネットや辞書で調べるよりも、経験者から直接学ぶ方が効率的です。
初心者の課題に対して克服方法をアドバイスできる
・日本人講師は、自身が英語を学ぶ過程で得た知識と経験を基に、初心者の課題に対する具体的なアドバイスができます。
・勉強方法やメンタルの持ち方についてもサポートが可能です。
研究結果からの支持
諸外国でも、初心者は非ネイティブ講師から学ぶ方が効果的であるとする研究結果が多く報告されています。
中国や日本での調査では、多くの学習者が非ネイティブ講師を支持し、その主な理由として学習プロセスの理解、文法などの豊富な知識、文化的親和性を挙げています。
ネイティブ講師の有効性
英会話初心者は日本人講師から学ぶことを推奨しましたが、英語力が一定のレベルに達した学習者にはネイティブ講師が有効です。
ネイティブの自然な表現や言い回しを学ぶことで、さらに英語力を向上させることができます。
英会話の初心者には、日本人講師からのレッスンが効果的です。
同じ背景を持ち、理論的に英語を習得した日本人講師から学ぶことで、効率よく英語力を向上させましょう。
自身のレベルに応じて最適な講師を選び、英語学習のゴールに向かって進んでください。
参考文献
・Zheng, Q. (2019). "Investigating the Effectiveness of Non-native English Speaking Teachers in Teaching English in Chinese Universities". Yunnan College of Business Management.
・Mauludin, L. A. (2015). "The Importance of Non-native English Speaker Teachers in the Context of English as a Foreign Language". Transformatika, 11(2), 134-144.
・Saito, T. (2014). "大学生のネイティブ・ノンネイティブ英語教員に対する意識について: 再履修クラスの学生の場合". 流通経済大学論集, 51(3), 37-46.
・Al Muabdi, H. S. (2020). "A Comparative Study of Native and Non-Native English Speaking Teachers in Saudi Arabian Context".
投稿者プロフィール
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幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、英語力に磨きをかける。卒業後、某メーカーの海外営業としてインドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売に従事。現在は主に対面、オンラインの双方で英語を教えている。カナダと中国に留学経験あり。英語のほか、中国語、インドネシア語も堪能。
資格:TOEIC 970、HSK 6級
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