英会話の上達には、英熟語の勉強が必要です

突然ですが問題です。

以下の日本文を「ヒント」で書かれた単語を使用し、英作文してください。

これら5つの問題が難なくこなせる方は、このブログを読む必要は特にございません。

難しいと感じられた方は、是非読み進めて頂けたらと思います。

①昨夜は遅くまで起きていました。

⇒ヒント:"stay"を使います。

②携帯の充電がなくなりつつあるので、充電しないと。

⇒ヒント:"run"を使います。

③昨日友人と遊びに行きました。

⇒ヒント:"hang"を使います。

④ちょうど今、旅行から帰ってきたばかりです。

⇒ヒント:"get"を使います。

⑤それ試着しても良いですか?

⇒ヒント:"try"を使います。

さて、英会話を教えていると、中学で学ぶ基礎英文法をしっかり理解し、それなりに英単語も知っているにも関わらず、なかなかスムーズに話せない方にしばしば出会います。

要因は様々ですが、その一つとして熟語に関する知識の有無が挙げられます。

熟語は英語を話す上で大変重要で、英会話能力の向上に大きく影響します。

本稿では私の留学時代の体験談を基に、熟語の重要性や勉強法について触れてみたいと思います。

英文法・英単語の知識があるのに話せない

筆者は過去にカナダの語学学校に通っていた時期があります。

その際、様々な国籍の留学生に出会いました。

その中でも日本人と韓国人は、他の国の留学生と比較して、なかなかスムーズに話せない傾向がありました。

しかし、クラス内で英文法やリーディングのテストがあると、だいたいハイスコアを叩き出すのは日本人と韓国人の留学生でした。

このように英語の知識は豊富にありそうなのに、なぜうまく話せないのでしょうか。

留学初期の苦労と焦り

かくいう私も、留学した当初は全く話せず、聞けずで苦労しました。

現地のボランティアコミュニティやカルチャーセンターに属するなどして、徹底的に英語に浸かる機会を作るなど、様々な方法を試してみましたが、一向に上達しませんでした。

4ヵ月経っても上達する気配がなかったので、だいぶ焦りを感じていました。

ただ、具体的に何が原因でスムーズに意思疎通ができないのか、皆目見当がつきませんでした。

というのも、私も語学学校のクラス内の英文法やリーディングのテストでは満足のいく点数を取れていました。

そのため、やはりそれらの知識をアウトプットする機会、つまり「話す」・「聞く」の機会が圧倒的に不足しているとばかり考えていました。

そこで、とにかく現地の人と意思疎通を図る機会を作るべく、無意味に奔走していました。

英語のシャワーを浴びても伸びない

ひとまず午前中は語学学校に通い、午後は現地のコミュニティに参加するなどして、朝から晩まで英語をアウトプットできる機会を作り出しました。

朝から晩まで英語漬け。

その生活を2ヵ月ほど続けましたが、結局いくら英語を使う環境に身を置いても、英会話の力は上達しませんでした。

英語のシャワーを浴びるだけでは上達しないと、この時実感しました。

できる留学生達にインタビューしてみた

留学を開始して半年以上経っても、話せず・聞けずの状態が続き、「どうしたものか・・・」と私は相当追い込まれていました。

そこで思い立ち、語学学校でひと際英語の上手い日本人や韓国人の留学生を捕まえ、恥を忍んで話を伺うことにしました。

当時ネットの情報も見たりしていましたが、私はリアルな声に触れないと納得できない節もあり、直接インタビューを行いました。

すると、英語を流暢に話す日韓留学生には概ね以下の共通点があることが分かりました。

・熟語を集中して勉強している。

・"Friends"などのシットコムを観ている。

・自分で教材を作っている。

最初に断りを入れておくと、私がインタビューした方々は英語力ゼロで留学したのではなく、英文法や英単語など日本の中学校で学ぶような基礎的な知識は既に持っている状態で留学し、留学後に飛躍的に英会話の力を伸ばされた方々となります。

彼らも留学当初は私と同様に焦りを感じていたそうなのですが、現地のメディアやドラマ、現地の方々が話す内容などを分析したところ、むやみに新しい英単語を暗記して増やすよりも、既に知っている基本動詞(takeやputなど)と前置詞、もしくは副詞を組み合わせることである程度会話ができるようになるのでは?という結論に至ったそうです。

そして、熟語を集中的に勉強するようになったとのことでした。

熟語の重要性を知る

あるインタビューの際に私は、"Friends"というドラマを英語の字幕付きで見せられたのですが、意外と知っている単語が会話の中で使われていることに驚きました。

特に動詞なのですが、ほとんどの動詞は中学で習うような基本的な動詞が多いにもかかわらず、単体で使われるよりも、いろいろな前置詞や副詞と共に使用される、つまり熟語として使用されるケースが多いということに気付きました。

そこで、私が相手の言っていることの意味をうまくくみ取れなかったり、スムーズに話せない理由として、熟語の知識不足が原因であることがわかりました。

自分で教材を作る

また、彼らの共通点として、自分で「教材」を作成していました。

具体的には、小さなメモ帳に表面には英文を、裏面には母国語でその意味を記した「一問一答」方式の教材を作成していました。

英文にはドラマや会話の中で出てきた実生活で使えそうな熟語を使用し、なるべく8単語以内で収まる暗記しやすい短い文章を書きます。

ポイントは、熟語とその意味だけを書いて一問一答をしてもなかなか会話の中で使いこなせるようにならないので、しっかりと文の中で意味・使い方を覚えるということです。

時間がある時、彼らはそのメモ帳を使い、母国語で書かれた文章を見て、即座に英文が出てくるか一問一答を行います。

この際、黙読するのではなく、実際に英文を口に出して頭に刷り込ませていきます。

中には、その英文をしっかりとネイティブにチェックしてもらっている人もいました。

こういった地道な努力を通じて、彼らは着実に英会話の力を伸ばしていったのです。

熟語と格闘する

善は急げで、早速私も熟語の勉強に取り掛かりました。

当時は今のように熟語を勉強できるアプリなどはなかったので、テキストに頼ることになりました。

幸い日本から熟語の参考書を(なぜか)持参しており、その参考書を活用することにしました。

この参考書には1,000個の熟語が載っており、例文も一緒に掲載されていました。

しかし例文が若干長く、自分にとって暗記しにくかったのが難点でした。

そこで、英語ができる日本人や韓国人の留学生、そしてネイティブの方々に頼って、これらの熟語が実際に会話の中で使うのかどうか、使うとしたらどのような形で使うのかを一個ずつ確認していきました。

そして、自分で「一問一答」方式の教材を作り、日々音読をしていました。

英文は実際に会話で使えそうな形にして覚えたため、実践でかなり役立ちました。

また、"Friends"を英語の字幕付きで見て、更に使えそうな熟語を探したり、耳を慣らしたりしていました。

このような勉強を続けるうちに、語学学校の必要性が見いだせなくなり、途中で退学しました。

午前中は自作の教材で学習し、午後は現地の人や留学生達と会話をするという生活を続けると、みるみる上達していくのを感じ、周囲の人たちからもだいぶ変わったとの意見をもらうようになりました。

熟語のテキストに記載されていた1,000個の熟語のうち、約600個は短い例文を自分で作り、ネイティブや留学生に添削してもらい暗記しました。

これにより、何とか自分が思い描いている形で意思疎通ができるようになり、リスニングもスラングや専門用語のない一般的な会話であれば難なく聞き取れるほどに上達しました。

以下にノートと使用した参考書の写真を添付します。

写真(上)はノートの表面。英文を記しています。可能な限り8単語以内で収まるように。

写真(上)はノートの裏面。英文に対する日本文を記しています。

この日本文を見て、瞬時に英文が出てくるか一問一答を行っていました。

参考書に関しては、東進ブックス出版の『英熟語 FORMULA 1000(安河内哲也著)』を活用していました。

『ターゲットの友』などのアプリを活用して熟語の勉強をするのもおすすめです。

まとめ

英文法や英単語はそれなりに知っている自信があるのに、「なかなかスムーズに話せたり、聞き取れない…」とお悩みの方は、一度熟語を確認してみてはいかがでしょうか。

私は現在英語を教えていますが、中学で習う基礎英文法はある程度理解できていて、英単語もたくさん知っているのに、かつての私のように熟語を知らないために英会話で苦労している方によく出会います。

英作文などをしたときに、talkやlookといった基本の動詞に付随すべき前置詞や副詞が付いておらず不自然な文になったり、こちらが日常会話で頻出する熟語を使った文章で話すと意味を理解できなかったり、そのようなケースによく直面します。

その場合には、熟語の意味や活用方法を実践で使える例文付きでアドバイスしています。

上述のように、熟語を知っているか知らないかでスピーキング・リスニングの能力が大きく変わってきます。

なお、当教室では、実践の会話力を養うために、熟語を使用した会話のトレーニングにも力を入れております。

例えばですが、このブログの冒頭で提示した以下の5つの問題。

どれも日常的に使えそうな会話文ですが、当教室のトレーニングを通し、熟語を使って瞬時に答えることができるようになります。

①昨夜は遅くまで起きていました。

⇒ヒント:"stay"を使います。

②携帯の充電がなくなりつつあるので、充電しないと。

⇒ヒント:"run"を使います。

③昨日友人と遊びに行きました。

⇒ヒント:"hang"を使います。

④ちょうど今、旅行から帰ってきたばかりです。

⇒ヒント:"get"を使います。

⑤それ試着しても良いですか?

⇒ヒント:"try"を使います。

興味がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

Tommy先生
Tommy先生英語壱番代表
1989年 福岡県北九州市生まれ、愛知県名古屋市育ち。
幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、挫折を繰り返しながらも英会話力に磨きをかける。

新卒で工業用消耗品メーカーに入社。インドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売、工程の生産性改善に従事。

その後、製造業 x ITベンチャー企業に入社。営業部門の立ち上げやグロースに携わり現在に至る。

TOEIC 870(2012年取得)
新漢語水平考試 HSK 6級(2020年取得)
貿易実務検定試験 C級(2015年取得)

趣味:サッカー観戦、楽曲制作(DTM)、旅行、読書