「その英語、ネイティブは使わない」について

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などのキーワードで検索され当ブログへお越しいただき、誠にありがとうございます。

最近、YouTubeで英語関連の動画を数多く視聴しているためか、英語学習に関する動画が頻繁におすすめとして表示されます。

その中でよく目にするタイトルに、「その表現、ネイティブは使いません」とか、「日本人がよく使うNG表現」、または「その表現はネイティブにとって失礼です!」などがあります。

これらの動画では、英語を母語とする人々や帰国子女の方々が出演し、「この表現は、そのシチュエーションではあまり使わない」や「こういう風に聞こえる可能性があるので、このように言う方が良い」といった解説をされます。

これらのアドバイスは英語学習者にとっては時に新鮮で、目から鱗の情報だったりすることがあるかと思います。

しかし、一つ悩ましいことがあります。

英会話の勉強を始めたばかりの初心者さん達がこれらの動画の影響を受けて、「今学んでいることは、果たしてネイティブが使う表現なのだろうか?」と常に気になり、学習の進捗に支障をきたしていることがあります。

つまり、「それはネイティブが使う表現なのかどうか」、「その表現はネイティブに対して失礼ではないのか」といった点を細かく調べながら学習を進めるため、進捗が遅くなってしまうのです。

調べて明確な答えが得られれば良いのですが、「結局、なぜこの表現をこのシチュエーションで使ってはいけないのか、よく理解ができない...」という状況がしばしば発生しています。

進捗の遅れや具多的に理解ができないことから、学習に対するモチベーションが低下することもあります。

このようなことを述べているのは、実際にそうした英会話の初心者の方々に何度も出会い、学習が進まない悩みを聞いてきたからです。

今回このブログでは、「ネイティブはこう言う!」や「その表現は失礼です!」といった内容のコンテンツに対して、英会話の初心者さんがどう向き合うべきかについて、私の体験を踏まえて述べたいと思います。

そもそもネイティブとは何を指しているのか?

そもそもなのですが、「ネイティブ」という用語は、具体的に何を指すのでしょうか?

この言葉は、アメリカ国籍を持つ人々、イギリス国籍を持つ人々、あるいは英語を母語とする全ての人々を含むのでしょうか。

よく考えてみると、「ネイティブ」という言葉の定義自体がかなり曖昧です。

私自身も、その明確な定義を見つけることができていません。

ChipsとFriesで言い争う人達

以前、私が中国へ留学した際に、興味深い場面に遭遇しました。アメリカとイギリスから来た留学生が、フライドポテト(中国語で「炸薯条」)の英語表現について冗談交じりに議論していました。

フライドポテトは、アメリカでは"Fries"と呼ばれ、イギリスでは"Chips"と言われます。

アメリカの留学生は「"Chips"じゃなく、"Fries"だろ?(笑)」と主張し、イギリスの留学生も負けじと、「いや、"Chips"だろ?(笑)」と反論していました。

私や他の国からの留学生たちは、ただ呆然とそのやり取りを見ていました。

北米に留学経験のある私は、フライドポテトのことをずっと"Fries"と思っていました。

「イギリスでは"Chips"なんだ…」と新たな知識を得ることができました。

Toiletなのか、Restroomなのか、Bathroomなのか、Washroomなのか

もう一つ似たような例を紹介します。

私が北米圏に留学していた時、お店でトイレを借りる際に、「トイレ」を英語でどう表現するか迷ったことがありました。

そこである英語学習プラットフォームで質問をしたところ、イギリス人からは"Toilet"という回答が返ってきました。

しかし、アメリカ人からは"Restroom"または"Bathroom"という答えが返ってきました。

一方、カナダ人は"Washroom"と言うことを教えてくれました。

その時、あるアメリカ人が「アメリカで"Toilet"は使わないな」と述べていました。

しかし、別のアメリカ人は「でも、僕の地域では"Toilet"を普通に使い、伝わるよ」と反論していました。

このようなやり取りが何度か続き、「結局、同じ国内でも地域によって言い方が異なるのか・・・」ということを学びました。

ちなみに私は当時カナダにいたため、"Washroom"という言葉を覚えました。

このように身近な単語でさえ、英語を母語とする国々や地域の間で違いが生じることがあります。

なお、これらの例はほんの一例で、氷山の一角に過ぎません。

英会話の初心者がこれらのような細かな違いに固執して学習を進めることは、限られた時間内での効率的な学習を難しくする恐れがあるのです。

「その表現、ネイティブには失礼です!」にどう向き合うか

冒頭でも述べましたが、YouTube動画、書籍、ブログ記事などで「その表現、ネイティブには失礼です!」というタイトルを目にすることが多いです。

特に、日本人のように尊敬語や丁寧語などを使い分ける人々にとって、このタイトルはシンプルでありつつも、響くものがあります。

私自身、日本での生活が海外での生活よりも長いので、英語で「この表現は失礼ではないか?」と悩んだことが実際に幾度かあります。

しかし、「角が立たない表現」というものは、同じ表現であっても状況によっては良い意味にもなり得るし、逆に角が立つこともあります(例えば"No, thank you"など)。

これらの表現は数が膨大で、一つ一つのニュアンスを詰めて勉強するには時間が足りません。

例えば、ビジネスシーンで何かを依頼する際に、"Can you~?"よりも"Could you~?"を使った方が丁寧で礼儀正しいと一般的に学びますが、具体的に相手との関係性がどの程度なら"Can"で話してもいいのか、いまだにはっきりしません。

ちなみに私自身は、10年以上にわたりビジネスの会議や交渉で英語を使用してきましたが、ビジネスパートナーやクライアントに対して"Can"を多用してきました。

その理由は、自分にとって"Could"より"Can"の方が、単純に発音しやすかったからです。

ただそれで相手との関係が悪化したり、何かを咎められた経験は全くありません。

もう一つの例として、「もう一度言ってください」を丁寧に表現するときに"Could you say that again?"と習いますが、ビジネスの現場では"Say that again?"や"Come again?"という表現をよく聞きます。

これらは非常にカジュアルな表現とされ、初対面の相手には使わないと日本では習いますが、実際に経験した身から言うと、初対面でもこれらの表現を使われることがあります。

これらの例はほんの一部に過ぎませんが、「失礼なのか、そうでないのか」といった表現は膨大に存在します。

そのため、「これらを身につけてから海外の人と会話する!」という態度では、永遠にコミュニケーションが取れないまま時間だけが過ぎていきます。

もちろん、「失礼な表現は避けたいし、相手の文化に敬意を表したい」という考え方は素晴らしいですが、その点ばかりに囚われすぎるのは好ましくありません。

特に、英語で意思疎通を図りたいという目的があるなら、そこで足踏みをするより他にやるべきことがあると思うのです。

ここで英会話の初心者の方々にお伝えしたいのは、以下の2点です。

  1. そもそも不適切な言葉を使ったら、英語話者が直してくれる
  2. コミュニケーションを取る前に、一言断りを入れよう

そもそも不適切な言葉を使ったら、英語話者が直してくれる

まず、発言がもし不適切であれば、英語を話す方々からアドバイスをもらえます。

私自身、初めて英語圏の国(カナダ)を訪れ、ホームステイをした際、ホストファミリーの奥さんからアドバイスを受けたことがあります。

私は当時、"Yes"を"Yah"と言ってしまうクセがあり、それを多用していると「それは小さな子どもがよく使う言葉だから、"Yes"と言った方がいいよ」と優しく指摘いただいたことがあります。

そこから私はその癖を直していきました。

このように、座学だけではなく、現地の人達からのアドバイスを通じて自分の間違いを修正していくことができます。

私は多くの人々の助けを借りて、今の英語力を築き上げてきました。

ですから、恐れずにどんどん発言してほしいと思います。

「何か言われたらどうしよう」とか「失礼なことを言ってしまって怒られたらどうしよう」という不安も理解できますが、まずは相手を信じてみましょう。

失礼なことを言ってしまっても、怒ることなく手を差し伸べてくれる人がいます。

あなたは日本語の学習者に怒りますか?

ちなみに私は日本語の学習者から何度か「失礼な言葉」を言われたことがあります。

例えば、初対面の私に対して「あんたは」という表現を多用する海外の方に出逢ったことがあります。

会話を聞いているとどうやら故意で使用しているわけではなさそう。なぜその表現を使うのか尋ねると、「あんたは」以外の表現を知らないとのことでした。

そこで、「あなたは」の使い方や「あんたは」、「お前は」をどのような状況で使用するかを丁寧に説明しました。

その方からは謝罪を受けるとともに、以後気を付けるとのお言葉を頂きました。

言語は相互の助け合いで身につけるものだと思います。

もし失礼なことを言われたら、優しく教えてあげることが大切です。

コミュニケーションを取る前に、一言断りを入れよう

また、失礼なことを言って相手を傷つけないか心配なら、コミュニケーションを取る前に一言断りを入れることをお勧めします。

私もよく、「私は英語を勉強中なので、もし失礼な言葉を使っていたら教えてください。」と伝えていました。

そうすることで、相手も快くいろいろ教えてくれます。

この一言を入れるだけで、コミュニケーションを取る際に心が楽になります。

ですので、「この表現、ネイティブに失礼かな?」という心配は一旦脇に置いて、持っている知識で自分の言いたいことを表現してみてください。

まずは意思疎通をはかってみて、それを楽しんでください。

そもそも、あなたは「ネイティブ」と話すのか?

これまで、英語を母語とする「ネイティブ」の表現や、彼らに対する「失礼な表現」について、英会話の初心者がどのような姿勢を取るべきか考察してきました。

さて、ここでお尋ねしたいことがあります。

皆さんが、これから英語でコミュニケーションを取る相手の方についてです。

「ネイティブ」を「英語を母語とする人々」と定義した場合、皆さんが今後交流するであろう相手の方々は、本当に英語を母語とする人々なのでしょうか?

実際は、台湾、ベトナム、サウジアラビアなど、英語を母語としない人々と出会う機会の方が圧倒的に多いかもしれません。

もしそうであるならば、ネイティブが使う細かいニュアンスや洗練された表現を学んだとしても、英語を母語としない人々にそれが適切に伝わるでしょうか?

カナダで身につけた英語が通じない

ここでも私の経験をお話ししたいと思います。

カナダでの留学を終え、英語力にはある程度自信をもつようになりマレーシアを訪れました。

ご存知の方も多いかと思いますが、マレーシアは英語を準公用語として使用している国です。

なので、自分の英語力を存分に発揮できると行く前までは考えていました。

しかしながら、実状は違いました。

人によって英語力がまちまちなのです。

"Pop by"とか"Hang out"とか"Out of the blue"などの熟語を多用すると、全く意思疎通がとれなくなる人もいれば、そうでない人もいる。

しかし私が街中で出会ったマレーシアの人たちは、カナダやアメリカの現地の人たちが日常的に使用するスラングを含めた英語を活用すると、分からなかったりするケースがよくありました。

なので、彼らと意思疎通を図るために、なるべく日本の中学校とかで学ぶ基礎的な英語を活用すると、スムーズにコミュニケーションをとることができました。

このようにマレーシアは英語を準公用語としておりますが、先ほども述べたように人によって英語力が全く異なります(話せない人も沢山います)。

この状況は旅行や、仕事で訪れたインドでもそうでした。

インドでも英語を準公用語としておりますが、人によって英語力が異なります。

そういったこともあり、北米のネイティブたちで使用されるような凝った表現は控え、日本の学校教育で学ぶような英文法や単熟語を主に活用し意思疎通を図っておりました。

マレーシアの人にしてもインドの人にしても学校や塾などでは英語を学ぶ機会があるのですが、家庭では自分たちの民族の言語をメインで活用します。

家庭が英語教育に熱心だったり、子供をインターナショナルスクールに通わせているなら話は別ですが、一般的な家庭で育った人々は英語を日常生活で使用する機会などほとほとないのです(しかしそういった環境下でも、英語が意思疎通できるレベルにあるのは素晴らしく、彼らの英語教育については別の機会に詳述したいと思います)。

こうした形で我々が「ネイティブの表現!」と凝った表現をいくら時間をかけて勉強したところで、英語を母語としない人々とコミュニケーションをとる際に無駄にしかならないことが往々にあります。

英語を勉強する上で、この点は認識しておくべきことかと思います。

英会話の初心者が、まず勉強すべきこと

まず英会話の初心者には、ネイティブや非ネイティブを問わず、確実に意思疎通ができる英語を身につけてほしいと思います。

それこそまさしく、中学校で学ぶような英文法や英単語、熟語で構成されるような英語です。

中学校で学ぶ英文法は約80種類、英単語・熟語は約3,000~4,000個程度でしょう。

これらを組み合わせて、自分の言いたいことをすぐに頭で組み立てる訓練を優先すべきです。

これだけで、英語を母語とする人だけでなく、そうでない英語話者ともコミュニケーションが取れるようになります。

これらを習得した後、時間に余裕がある場合や、どうしてもネイティブが使うような凝った表現を身につけたい場合は、それらを集中的に学習したらよいと考えます。

重ねて言いますが、まずはどの国の英語話者とも確実にコミュニケーションできる英語力の習得に、初心者の方は時間を使うべきです。

なお当教室では、これらの英文法や英単語・熟語を、実際の会話の中でどのように使うか、シーン別の英会話を通じて学びます。

机上で問題集を解くような学習はせず、実際に声に出すなど、実践的に学習していきます。

会話の題材は、生徒さん一人ひとりが実際に使うシーンを想定して作られるため、学んだ表現が直接、実践の英会話に活用できます。

英文法や英単語・熟語は参考書を解いたりして学ぶこともできますが、「これらは会話のどの場面で、どう使うのだろうか・・?」という疑問が生じがちです。

初心者の方がネットなどで都度検索しながら学ぶのは効率的ではありません。

なぜなら、必要な情報を見つけるまでに時間がかかるためです。

このような点も、英語学習の障害となり、挫折につながりやすくなります。

当教室を利用することで、このような「探す」という非生産的な時間を削減できますので、ぜひ活用していただければと思います。

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投稿者プロフィール

Tommy
Tommy英語壱番 代表
幼少~高校まで語学に興味はなく、大学時代に一念発起し、英語力に磨きをかける。卒業後、某メーカーの海外営業としてインドネシアに駐在し、東南アジアに位置するメーカーに製品の提案、販売に従事。現在は主に対面、オンラインの双方で英語を教えている。カナダと中国に留学経験あり。英語のほか、中国語、インドネシア語も堪能。
資格:TOEIC 970、HSK 6級